毎日新聞社などが設立する「毎日みらい創造ラボ」は8日、第7期の起業家支援(シードアクセラレーション)プログラムを受講した3チームの成果報告会「デモデー」を開催した。グランプリには、eスポーツイベント運営のパッケージ(大阪府箕面市)が輝いた。山口勇代表は「大阪発のイベントを世界に広げていきたい」と抱負を語った。
地方の起業家らとオンラインで東京都内の会場を繋ぎ、リアル会場とオンラインを併用したハイブリッド方式で開催した。登壇したのはパッケージのほか、サッカー特化マッチングアプリのイプサム(千葉県松戸市)、体験・旅行予約サービスのジェイ・キャット(東京都中央区)。
3チームは9月から3カ月間、起業家らから助言を受け、事業案を磨いてきた。オブザーバーとして、毎日みらい創造ラボが支援をしている佐賀県発スタートアップ企業2社と、過去のプログラム受講チーム3社も参加した。
佐賀県からは、NPOと支援企業をつなげるプラットフォームを提供するデッサン(佐賀市)、知育教育ボードゲームのフレル(佐賀県神埼市)がオンラインで登壇し、事業内容を紹介した。
過去受講チームは、信州大学発のベンチャー企業でヘルスケア事業を手がけるウェルナス(東京都港区)▽衣料品再生事業に取り組むモダラバ(東京都港区)▽ブロックチェーン活用ビジネスのガウディ(東京港渋谷区)が登壇した。
グランプリのパッケージは、スポンサーであるIT企業フューチャー社からの賞金に加え、オーダースーツを手がける銀座テーラーグループより副賞の高級スーツ仕立券が贈られた。
また、登壇した全8チームを対象に、教育事業を手がけるアガルート社が特別賞を選考。知育教育のフレルが受賞した。
毎日新聞社の丸山昌宏社長は「毎日新聞は創刊150年を迎えるが、長寿企業にもスタートアップ企業にも、今求められている役割は『社会課題の解決』。志を高く持ち、社会課題を解決することで人々に必要とされ、会社を持続させていけるよう頑張ってほしい」と話した。
メディアドゥの藤田恭嗣社長は「どんな事業をしていても、経営者に欠かせないのは情熱。事業計画や事業の内容もさることながら、登壇者の情熱が印象的だった」と講評。ブロードバンドタワーの藤原洋社長は「日本はデジタル化などにおいて先進国の中で遅れているが、社会課題だけは豊富。社会課題を解決する企業がぞくぞくと育ってほしい」と説いた。【今村茜】
グランプリはPACkage(山口勇代表)毎日みらい創造ラボ第7期Demo Day
2021年12月08日