センター試験 情報工学系に人気が集まるワケ

2018年1月16日

 全国で約58万人が受験する大学入試センター試験が13日、一斉に始まった。大手予備校によると、今年も文系学部の人気が高い「文高理低」の傾向が続いている。ただし、社会で注目を集める人工知能(AI)への関心は高く、理系でも情報工学系を志望する受験生は増えている。【水戸健一、金秀蓮、太田敦子】

文系、理系の人気は景気動向に左右され、新卒の就職率が高ければ就職先の選択肢が多いイメージのある文系に、「就職氷河期」は専門性を身に着けられる理系に受験生が流れる傾向がある。駿台予備学校によると、文系志望者は2008年をピークに15年まで減少が続いたが、一昨年から再び増加。昨年秋の模試受験者の志望学部を分析したところ、文系の中でも経済・経営、商学部の志望者が特に増えた。

九州大で試験に臨んだ九産大付属九産高3年、中村洸太さん(18)=福岡県久留米市=は文学部で世界史や西洋思想の専門知識を深めたいという。「教師になるのが夢だが、文系は理系よりさまざまな職業に就ける可能性がある。就職環境が良くなっているのはありがたい」と話す。

東京大で受験した日大豊山高3年の男子生徒(18)は東京外国語大言語文化学部が第1志望。ポルトガル語を学びたいといい「言語にある先の文化や暮らしの理解を深めたい」。名古屋工業大で試験に臨んだ予備校生の女性(19)=名古屋市昭和区=は一橋大法学部を志望しており、「国際関係について学び、将来は途上国支援に関わる仕事をしたい」と話した。

一方、理系は農・水産学部の志望者が減少。工学部も減ったが、専攻別でみるとAIなどを扱う情報工学系が大幅に増えた。AIやビッグデータの活用法を探る広島大の情報科学部、横浜市立大のデータサイエンス学部など今春新設される学部も関心を集めているという。

東京都内の予備校生の男性(19)は祖母の介護をきっかけにAIに興味を持った。「情報工学を勉強して、将来はAIを搭載した介護ロボットを開発したい。1人暮らしの高齢者の話し相手になったり、生活の補助ができたりする『人に愛される道具』をつくりたい」と夢を語った。

予備校生で大阪国際大で受験した青戸武さん(19)=大阪府枚方市=はAIなどについて学べる大阪府立大現代システム科学域を狙う。警察官になり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで中傷された人たちを助けたいという。「これから需要が高まる分野。民間企業に就職する場合でも役に立つはずだ」と話した。

九州大で受験した筑陽学園高3年、池田悠太さん(18)=福岡県春日市=はプログラマーになりたいといい、九州工大の情報工学部を目指している。「画像設計を学び、動画制作など最先端の仕事をしたい。小学生でもプログラムを学び始める時代で、これからますます情報系の仕事は増える。就職にも有利だと思う」と話した。

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