人工知能(AI)などを使った事業創出や働き方をテーマにした「第1回毎日イノベーション・フォーラム-AIとIoTで変わる『まち、ひと、しごと』」(毎日新聞など主催)が1日、東京都千代田区の経団連会館で開かれ、企業の新規事業担当者や学生ら約300人が参加した。
小池知事「IoT、AIといえば東京と言われるように」
フォーラム冒頭で小池百合子東京都知事が登壇。ベンチャーと海外企業や投資家を結び付けたり、女性が起業しやすい環境作りを進めたりしていることを明らかにし、「IoT、AIと言えば東京と言われるよう、皆さんと高めあっていきたい」と述べた。
また、医療用ロボット開発で知られるCYBERDYNE(サイバーダイン)の山海嘉之社長が基調講演。さらに「IoT、AIがどのようなイノベーションを起こすか」をテーマにしたパネル討論なども行われた。
坂村健氏「すべてのサービスを自動化するのが理想」
パネル討論で坂村健東洋大情報連携学部長が、社会の将来像について「すべてのサービスを自動化する『環境のロボット化』が理想だ」と述べ、「個人データを扱う基盤と社会的なルール整備が求められる」と語った。
グーグルなど米国発ベンチャーがグローバル企業に成長している背景として「米国は法律が最小限で技術革新が生まれやすい土壌がある」と指摘した。元総務事務次官の桜井俊氏も「日本もとりあえずやってみるための仕組みや制度作りが必要だ」と述べた。
また、AI研究者で子育て中でもある坂本真樹電気通信大大学院教授は、女性起業家を増やすため「AIを搭載したロボットなどで子育て支援が実現されるといい」と話した。
起業家創出セッションには、化粧品の口コミサイト大手「@コスメ」を運営するアイスタイルの創業者の吉松徹郎社長ら4人の起業家が参加。米シリコンバレーからの中継も交えて議論を交わした。
毎日新聞社はメディアドゥ、ブロードバンドタワーの3社で7月に事業化を支援する「毎日みらい創造ラボ」を設立。今回のフォーラムはベンチャービジネス関係者らを結びつけ、新規事業創出を促すため開催した。