大阪大の大須賀公一教授(制御工学)らの研究グループが、本物のムカデのように地面をはい回るロボットを開発した。人工知能(AI)などの高度な技術を一切使っておらず、「シンプルな構造でも、生き物の動きをリアルに再現できることを示せた」と自賛している。
ロボットは全長1.3メートル。ミニ四駆用の市販のモーター6個を動力源に、32本の足を動かして進む。コンピューターやセンサーは使っていないため、障害物を察知したり、進むべき進路を判断したりすることはできない。ところが、雑木林に解き放つと、目の前に現れた地面の凹凸や石などの形に合わせて、16の体節に分かれた柔軟な体をくねらせて乗り越えていく。この様子が本物のムカデのように見える。
大須賀教授は「ムカデ型ロボットが本物っぽく見えるのは、自然にある障害物のおかげだ。生き物の動きは周りの環境があって初めて生き生きと見えるのではないか」と話す。【大久保昂】
ムカデロボット 「リアルに再現」阪大グループ開発
2017年7月02日