【ワシントン清水憲司】米グーグルや米アップルが開発した人工知能(AI)の知能指数(IQ)は6歳児以下--。中国政府傘下の中国科学院などによる調査、研究でこんな結果が出た。ただ、2年前の調査と比べると、AIの知能は大幅に向上しており、人間の能力を超える「シンギュラリティー」を目指すAIの開発が今後どう進むか、研究を続けていくという。
研究はIQを測る物差しとして、新しい知識を外部から取り込む能力▽外部からの知識を既存の知識に組み込む能力▽発見や想像など創造力のある形で活用する能力▽蓄積した知識を文字や音声、画像などを通じて外部に提示する能力--の四つを設定し、人間とAIについて調査、分析した。研究論文は9月下旬に米コーネル大に提出した。
研究のベースとなる調査は昨年実施され、それによると、IQは人間が18歳で97.0▽12歳で84.5▽6歳で55.5となる一方、AIはグーグル製が47.28▽中国の検索大手バイドゥ製が32.92▽米マイクロソフト製「ビング(Bing)」が31.98▽アップル製「シリ(Siri)」が23.94--だった。
14年の調査では、AIでトップのグーグル製でもIQが26.5と、6歳児の半分以下だった。このことを考えれば「過去2年間でAI(の知能)は著しく向上した」(研究)とも言え、今後の開発動向が注目される。
AIのIQは6歳児以下!? 2年前よりは大幅向上
2018年1月19日