みらいラボ1期生ventusがスポーツ応援の形を変える! 6月にサービス開始へ

2018年5月23日

起業志望者からアイデアを募り、3カ月間の支援プログラムを通じて新たな事業創生を目指すために毎日新聞社などが設立した「毎日みらい創造ラボ」。その第1期生で現役東大生を中心に設立したventus(ベンタス=小林泰社長=)が、23日からファンがスポーツチームの一員になれる電子トレーディングカード(電子トレカ)取引サービス「whooop!(フープ!)」のユーザー事前登録を開始した。6月中旬からサービスを本格的に稼働させる。

◇選手の電子トレカ購入でチームを支援、ファン同士の売買も




フープ!はオンライン上でアスリートの写真が載った電子トレカをスポーツチームやアスリート個人が発行し、それをファンが購入してコレクションするためのサービスだ。カードを入手するには、チームから複数枚を購入する「パック買い」、自分の欲しいカードだけをほかのユーザーから購入する「オークション」や、持っているカードをほかのユーザーを交換する「トレード」などの方法がある(トレードは近日サービス開始予定)。

カードは、さまざまな図柄や選手の写真を用意することで、ファンの所有意欲に働きかけるとともに、将来、カードの価値が上がりそうな有望選手をファンが探し出す楽しみも提供する。また、サイト上では、カードコレクションなどを元にチームごとの「ファンランキング」を載せることで、自らの「ファンの熱狂度」を他のファンに証明することができる。

◇スポーツチームは新たなファンサービスが可能に



一方、チーム側には、ファンやサポーターからの新たな資金獲得ツールとなるほか、カトレカのコレクション状況に応じてチームグッズを提供するなど新たなファンサービスを導入することができる。さらに、チームの戦略や人事などを「熱狂度」の高いファンやサポーターと一緒に決めるといったこれまでになかったチーム運営を行うことも可能になる。
日本のプロスポーツクラブおよびアスリートの多くは、収入源をチケット代やスポンサー料、放映権料に頼らざるを得ないのが現状だ。オリンピック競技などは大会終了後は注目が集まり、メディアなどでの露出も一時的に増えるものの、活動資金不足は慢性的で、選手活動に専念することができないだけでなく、競技続行を諦めなければならないアスリートも少なくない。

◇自転車チームやプロサッカーチームでサービス開始



ベンタスは東大アイスホッケー部で副将をつとめた小林社長が高校時代からの後輩である梅沢優太COO(最高執行責任者)ら現役東大生を中心に、スポーツ界の現状を変えようと結成。現在、フープ!は卓球Tリーグの琉球アスティーダや自転車Jプロツアーの宇都宮ブリッツェンとの協業をまとめた。さらに、複数のプロサッカーチームやアスリートとの交渉を進めていて、6月中旬のサービス開始時には、こうしたチームのカードを集めることが可能になるほか、対象チームをさらに拡大していく方針だ。

ベンタスはトレカを通じて、プロアマ問わず、さまざまなスポーツのファンが交流する世界観の構築を目標にしている。小林社長は「スポーツ横断型のコミュニティを作り、『スポーツファン』が集う場所を作りを目指すとともに、電子トレカがスポーツチームが継続的に資金を得られる一つの収入源になるように頑張りたい」と意気込んでいる。【永井大介】
 
 
 

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