スタートアップや社会課題解決を目指す起業家を支援してきた「毎日みらい創造ラボ」では、石狩市と共同して同市の課題解決に向けたプロジェクトを立ち上げ、2月10日に「地域課題解決ワークショップ~石狩市と一緒に考えよう~」と題したイベントを東京・東高円寺の新渡戸文化学園で実施しました。
イベントにはスタートアップ経営者やプロ人材、中小企業経営者、大企業に務める社会人、大学生、高校生など約40人が参加し、多種多様なそれぞれのバックグラウンドをいかしながら、石狩の課題の解決方法を皆で探りました。
石狩市は道央圏の日本海側に面し、市域の多くが山林と豊かな自然が特徴です。人口は約6万人で、一年を通して気温較差が少なく、北海道道央圏でも比較的温暖な地域となっています。ただ、札幌市から約40分という好立地にも関わらず、労働人口の減少などを背景に、いくつもの課題を抱えています。
一方で、石狩湾新港を中心にした新たな産業振興、風力発電などでの新たなエネルギーの創出やそれを活用したデータセンターの誘致など、新たな取り組みも生まれています。さらに豊富な水産資源や1次~3次産業が集積しているといった産業面でのポテンシャルも秘めています。
今回のイベントでは石狩市から提示された地域課題の解決方法を参加者全員で考えました。
午前の部では、石狩市役所企画経済部企業連携推進課が石狩市の魅力とともに一次産業を中心とした街が抱える課題を紹介しました。
具体的には特産品であるニシンのブランディングや豊富な水産資源を狙った密漁問題、高齢化に伴う働き手不足といった問題です。さらには利用しきれていない温泉などについても課題提起がなされました。
昼食では、石狩の名産であるニシンの切り身のほか、毎日みらい創造ラボの支援先である「smallkitchens」がこの日のために考案してくれたニシンをふんだんに使ったお弁当を参加者全員で味わいました。
午後の部では、三重県尾鷲市のまちづくり会社で、「地域課題」を「地域資源」と捉え直し、「今だけ」「ここだけ」「これだけ」をテーマにした事業をいくつも展開してきた伊東将志さんが講演を行い、自身の経験を基にした地域課題解決のための思考法を学びました。
伊東さん自身、2022年からは尾鷲市から火力発電所が撤退したことに伴い、変わりゆく街に呼応し、脱炭素と教育をテーマにした一般社団法人「つちからみのれ」を設立し、新たなチャレンジを始めています。
その後、チームごとに分かれて、石狩市の地域課題を題材にケーススタディーを実施しました。
最後にチームごとに石狩市に対して解決策の発表を行いました。
イベント終了後には、参加者や石狩市とのネットワーキングのための交流会も実施しました。
毎日みらい創造ラボでは24年度も石狩市と連携して同市の課題解決に向けた取り組みを実施していきます。