「Startup Connect SAGA+」グローバルインサイトツアーinジャカルタ実施のお知らせ

2024年6月30日

毎日みらい創造ラボでは、海外展開を目指す佐賀県の起業家の皆さんに圧倒的なローカル体験の提供を通じて自社ビジネスの海外展開を模索する「Startup Connect SAGA+グローバルインサイトツアーinジャカルタ」を6/20~6/23の日程で実施しました。



少子高齢化・人口減少に伴う市場の縮小に直面する日本と若者の熱気と旺盛な消費意欲に満ち溢れているジャカルタ。インサイトツアーでは「ジャカルタに海外展開する」という仮説をおいてもらい、日本とインドネシアの共通点や異なる点を「虫の目」でみてもらうことで、視座の転換を図りました。

同時に、現地では貧富の拡大やゴミの処分問題といった課題も山積しています。現地の人々の実際の生活の場に入っていくとともに、現地起業家とのディスカッションなどを通じて、社会課題をどのようにビジネスに結びつけるかを考えていただきました。

参加した起業家の皆さんは以下の通り
Noutje(ノーチェ) 實松千晶 代表
株式会社ボイス 園田耕三 取締役
株式会社夜未央 江口 学 代表取締役

グローバルインサイトツアーは佐賀県からの受託事業「Startup Connect SAGA+」の一貫。現地ではインサイトを得るための大量のインプットだけでなく、地元起業家によるメンタリングも実施し、「脳に汗かく」3日間となりました。

第一日目はジャカルタの商業施設を超高級(Plaza Indonesia, GI) から庶民向け(Blok M Square)、コンセプチュアル系(Ashta、M Bloc Space)と見て回りました。所得階層別に買い物をするリテール店舗が異なるジャカルタ。小売り、食、デザイン、ハラル・宗教観などの視点からインドネシア市場の特徴や日本との共有点、異なる点をインプットしました。





ランチタイムには日本のスイーツ界を代表する「ルタオ」の姉妹店として、ジャカルタで「DORÉ by LeTAO」をゼロから立ち上げたRiki Kono Bameleh氏と意見交換を行いました。



また、ディナータイムには繁華街Mblocのブランド活性化などのプレイスメイキング事業を主に活動Edgar WitakramaHongo氏とも意見交換を行いました。

日本に住んでいたこともある両氏。日本を知りつつジャカルタでのビジネスを知り尽くした二人からは、アドバイスとともにジャカルタでの協業の提案などもいただきました。

2日目は早朝から、ジャワの伝統的生薬ジャムウ売り弟子入り体験。皆で乗合自動車を貸し切り、地元の人々が食品や日用品を購入する市場に。ジャムウに必要な材料を通訳なしでメモと身振り手振りでそろえました。



材料を持って訪れたのはジャムウ売りのおばさんのお宅。まずは朝ごはんに鶏肉のおかゆである「ブブールアヤム」をいただいてから、ジャムウ売りのおばさんの指導のもと、ジャムウづくりを行いました。

ジャムウが出来上がった後はカゴに入れます。そのカゴを担ぎ、近隣を「ジャムウ~、ジャムウ~」と声を上げながら売り歩きました。何人もの日本人が練り歩き、いつもと様子が違うジャムウ売りに街の人たちも騒然となりましたが、参加者は身振り手振りのコミュニケーションで、ローカルコミュニティに触れ、生活文化習慣や地場産業を学びました。

ジャムウ売りの後のランチはパダン料理のお店へ。大小1万7000の島々からなるインドネシアは多様な文化を持つ国です。インサイトツアーでは、食を通じてインドネシアの文化の多様性も学びました。
ランチ後は、ホテルに戻って休憩。夕方に企業がブースを設け、工芸品、衣料品、家具電化製品、自動車などがそろう国内最大規模の展示会「ジャカルタフェアー」に向かいました。

この日はジャカルタの生誕記念日ということもあり、ものすごい人…。持ちきれないぐらいの買い物袋を抱える来場者の姿に、人口の半数が生産年齢人口であることを背景にした旺盛な消費意欲の一端を垣間見ました。

日本では買ってもらうまでが大変であり、AIDMAなどそこまでのマーケティング戦略を練りますが、起業家からは「インドネシアでは消費行動が直線的。日本での考え方は通用しないかもしれない」といった声も聞かれました。

最終日の3日目は早朝から繁華街のブロックMでは地元起業家のEdgar WitakramaHongo氏らと一緒に周辺のゴミ拾いを行いました。社会課題となっている「ゴミ」からインドネシアを探る試みで、コーヒーのプラスチックカップ、ストローが散乱していました。



その後はゴミの収集、加工でサーキュラーエコノミーを実践しているスタートアップのjangjoindonesia 代表のエキさんから、ジャカルタが直面しているごみ問題や、彼らの取り組みについて話を伺いました。同社ではモールのゴミを一括収集し、燃料や家畜のエサ、建材などに加工し、ゴミの収集からアップサイクルまで行っているそうです。


午後は最後のプログラム。3日間のインプットを経て得たインサイトを盛り込み、佐賀県からの起業家3人それぞれに自分の事業、ジャカルタでの展開可能性や感想について発表していただき、それについてBEAUTYNESIA, HAI!BUNDA CEOの長谷川 智紀さんにコメントいただくセッションを行いました。

海外展開は、ローカルとグローバルの間を何度も速いスピードで行き来しながら、事業を練り込んでいく必要があります。今後、「Startup Connect SAGA+」では、個別のメンタリングや海外リサーチャーとの面談を通じて海外展開の解像度を高めていくほか、海外VCへのピッチなども実施していきます。

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