毎日みらい創造ラボは3月14日、第9期の起業家支援プログラムの成果報告会デモデイを開催した。毎日新聞社の松木健社長らが審査し、グランプリには、コンブ養殖を通じて海の生態系を守り、明日の海を育てる活動を横浜・八景島を中心に展開する「幸海ヒーローズ」が輝いた。
富本龍徳共同代表は「コンブの多様な利活用を展開している。これからも水産業界の課題を解決すべく取り組んでいく。素晴らしい賞をいただき感謝します」と語った。
教育を中核とした社会的インフラを目指すアガルート社のアガルート賞には、人・動物・地球に優しい暮らしのヒントを配信する「Gab」、ソリューション特化型メディアを運営するパシフィックブリッジメディアアンドコンサルティング社のPBMC賞には、デジタルとリアルの融合による未来のインフラづくりに取り組む「GATARI」が選ばれた。
今回のプログラムは、過去の事業構築ノウハウを発展させた「ソーシャルインパクト・アクセラレーションプログラム」として募集した。プログラムに参加したのは、幸海ヒーローズのほか以下の3チーム。
▽茶山(東京都八王子市、伊藤太貴)
桑茶の提供をベースに、中小企業の第二創業、新規事業として耕作放棄されている桑畑の利活用を模索する。今回のデモデイでは妊婦高血圧症をターゲットにした桑茶の展開に展開についてプレゼンをする。
▽NEWCHOICE(東京都渋谷区、CEO・川部響)
介護事業所向けに派遣型エンターテイメントを提供する。認知症予防と介護予防の効果で科学的に実証されたポーカー、ルーレット、麻雀のような複合ボードゲームイベントを介護事業所で実施する。
▽NatureSitter(埼玉県横瀬町、代表・杉野結喜)
秩父の自然の中で子どもたちが自然と寄り添い、「不思議だな」「面白いな」という経験から、自ら探求し、今まで知らなかった世界を子どもたちが体験できる環境を提供する。父親と子供にプログラムを提供することで、父と子供には「思い出」を、母親には「一人の時間」を提供する。
デモデイには、このうちの3社が登壇したほか、今回デモデイには、毎日みらい創造ラボが支援している佐賀県のスタートアップのほか、毎日みらい創造ラボのOBなど計9社が登壇した。
登壇企業は以下の通り。
▽土壌診断用バイオセンサー研究会(SDB研、代表・橋本好弘)
土の生物性の面から診断する「生物性土壌診断」を通じて土の健康状態を判定する「土のお医者さん」。格安・スピーディーな診断で有機農法・無農薬農法の普及と世界の食糧問題の解決を目指す。
▽ホンザン(代表・本山智子)
清酒王国佐賀の酒造りの副産物である酒粕を有効活用、酒蔵とタッグを組んで酒造ごとに異なる酒粕を活用した赤酢を展開する。「佐賀といえば赤酢」と呼ばれる産地形成を目指す。
▽SA-GA(代表取締役社長・森山裕鷹)
佐賀大学発の学生スタートアップ。「もっと児童生徒に向き合いたい、でも、いろんな雑多なタスクがあってなかなかそういかない」、そんな教育現場のジレンマをもとに開発した校納金収納プラットフォーム「学校Pay」を提供する。
▽GAB(代表取締役社長・山内萌斗)
毎日みらい創造ラボ第5期。「社会課題の解決の敷居を極限まで下げる」をミッションに国内最大級のエシカルショップ「エシカルな暮らし」を運営するほか、ゴミ拾いにゲーミフィケーションを融合したゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清掃中」を展開する。
▽香川オリーブガイナーズ球団(代表取締役社長・福山 敦士)
プロ野球独立リーグ香川オリーブガイナーズ球団を運営。福山氏は新卒でサイバーエージェントに入社。27歳で独立し、自ら立ち上げた事業・法人を売却。30歳までに3度のM&A(売却)を実現。社長の持つノウハウを生かして企業のマーケティング支援事業に参入し、獲得した資金を野球事業に投入。両者の相乗効果を生み出して収益性を高め、2025年の新規株式公開(IPO)を目指す。
▽GATARI (代表取締役CEO・竹下俊一)
既存の設備に干渉せずに空間の価値を最大化するMixed Realityプラットフォーム「Auris」を展開。Mixed Realty技術を通じてテクノロジーに深い人間理解を組み合せ、”見え方を変える”ことで、より良い世界の創造を目指す。