米家電見本市 AIめぐり米中しのぎ 中国出展1700社

 【ラスベガス清水憲司、釣田祐喜】米西部ラスベガスで9日、家電見本市「CES」が開幕した。目玉は自動車や家電などさまざまな業界に変化をもたらす人工知能(AI)。国家戦略として開発を推進する中国勢の存在感が増す中、米国のグーグルとアマゾン・コムは市場が急拡大するAIスピーカーでしのぎを削っている。

 「AI開発に必要な人材と技術、市場を備えた米国を、中国が追い上げている。我々には巨大な人口と成長市場、そして政府の振興策という強みがある」。中国検索大手バイドゥ(百度)の陸奇最高執行責任者(COO)は開幕に先立ち、ラスベガスで初めて開いた発表会で力説した。

 AI開発の資金投入量で中国は米国に次ぐ世界2位。人材獲得でも、グーグルやアップルに負けない高額報酬を提示し、開発者をかき集めている。陸氏は「中国政府が持続的なAI開発投資を約束したのは、国家5カ年計画の一部だからだ」と指摘。「中国流のスピードで開発を加速していく」と逆転に意欲をにじませた。

 今年は中国企業が約1700社も出展、全体の約4割を占める。中国はAI開発に不可欠な半導体産業でまだ日米韓に劣るが、中国半導体大手ロックチップ(瑞芯)の担当者は「最新製品の性能は我々が上だ」と説明する。魚型の水中ドローン(無人機)、現実の風景にゲームなどの画面を映し込む「拡張現実(AR)」対応の眼鏡など多様なベンチャー企業が参加している。

 一方、グーグルは自前の展示を行わない方針を転換し、自社展示を実施。さらに、AIスピーカーに使う音声AI「グーグルアシスタント」の採用企業にも説明員約160人を派遣し、カーナビの音声操作などを実演する。AIスピーカーで先行するアマゾンへの対抗姿勢を鮮明にした形だ。これに対し、アマゾンは昨年と同様、会場内で次々に説明会を開き、音声AI「アレクサ」採用企業のさらなる拡大を目指す。

 米企業ではこのほか、AIを活用した自動運転技術に力を入れる半導体大手インテルなども関心を集め、層の厚さを見せつけるが、シリコンバレーのAI関連企業幹部は「中国勢の進歩は速い。米国をしのぐ日が来るかもしれない」と話す。