毎日イノベーション・フォーラム分科会「AIとイノベーション」

「毎日イノベーション・フォーラム」の分科会「AIとイノベーション」では、AIや深層学習の現状や方向性について、電気通信大人工知能先端研究センター長の栗原聡氏が解説、各国が開発を競うAIを活用した自動運転技術について、自動車ジャーナリストの川端由美氏が現状を報告した。また、総務省情報通信政策研究所主任研究官の成原慧氏が、AIの発展を見据え開発のためのガイドライン案を作成したと報告した。コーディネーターは、アプリックスIPホールディングス前会長の郡山龍氏が務めた。

◇栗原氏「AI時代では初心者も熟練者に」

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分科会では、AI普及で働き方や雇用に大きな影響が及ぶと予測されていることについての活発な意見交換があった。栗原氏は「高齢化が進み、AIに仕事を奪われる心配より、急いで労働力を補てんしなければらない分野がある」と指摘。「深層学習で機械化するには時間がかかるが、熟練者の動きを記録、分析して、初心者でも同じ動きができるようにパッケージ化できるのではないか」とAI社会に期待を示した。

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成原氏は「AIは今後、自律性を高め、さまざまなサービスに活用されるだろうが、企業は、利用者に開発意図や注意点を適切に説明し、信頼を得ることが必要だ」と述べ、AIに仕事を奪われないために必要な力として▽ホスピタリティー(おもてなし)▽マネジメント力▽クリエイティビティーの三つを挙げた。

◇AI登場でプログラマーは失職?

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米マイクロソフトなどでソフトウェア開発に携わった郡山氏は「AIでなくなる職種はプログラマーではないか」とし、その理由について、「携帯電話のプログラムでもバグ(間違い)に悩まされる。人間が作るのは限界があるからだ」と語った。

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川端氏は「IBM(のコンピューター)が出来た時、計算の速い人の仕事を奪われた。今回も同じようなことが起きるかもしれない」と指摘、これまでとは違う能力が求められるとの認識を示し「単純作業はAIに任せ、人間は利用者が喜んでお金を払う満足度の高いサービスを提供するといった仕事が要求されるようになる」と強調した。【岡礼子】