ロボカップ 名古屋で開幕 AI判断、自らシュート

人工知能(AI)で自ら考え、行動するロボットの技術を競う「ロボカップ2017名古屋世界大会」が27日、名古屋市港区のポートメッセなごやなど2会場で熱戦の幕を開けた。約40カ国・地域から企業や大学などの計約3000人が参加し、4日間にわたって競技に臨む。

 「サッカーで2050年にロボットのチームが、ヒトのワールドカップ(W杯)優勝チームに勝つ」という高い目標を掲げ、日本の研究者の提案で始まった大会。世界各地で毎年開催されている。第1回大会は1997年に名古屋で開かれており、今回は20年ぶりに「始まりの地」に戻った形となる。大会ではサッカー、災害支援ロボット、10代が挑む「ジュニア」など主要5競技が行われる。

 サッカーは、ロボットの大きさや形で分けた八つのリーグ戦で競う。いずれもリモコンなどの遠隔操作ではなく、ロボット自らがAIで状況を判断し、シュートやパス回しをするのが見どころだ。

 各チームが同じソフトバンクロボティクスの二足歩行ロボット「NAO」を5台使い、動作のもとになるソフトウエアの開発力を競うリーグでは、身長約58センチのかわいいロボットが長さ9メートル、幅6メートルのピッチで躍動した。ロングパスがロボットの足元に正確に届く。ゴール前で体でシュートを防ぐ。見事な連係プレーのたびに、観客の歓声が起こった。

「ロボカップ2017名古屋世界大会」が開幕し、サッカー競技でボールを取り合う二足歩行ロボット=名古屋市港区で2017年7月27日午前9時51分、兵藤公治

 関係ないところで勝手に転ぶ場面も。愛知県知多市から父親と訪れた小学2年、吉本龍生(りゅう)さん(7)は「面白かった。ロボットが自分で立ち上がるのがすごい」と食い入るように見つめた。

 一方、生活支援ロボットの能力を競う「@(アット)ホーム」競技では、言われた物を棚から取ったり、ドアの開け閉めを手伝ったりする動作に注目が集まっていた。

 ロボカップ日本委員会の大橋健会長は「この20年の進歩は当初予想したより速い。AI研究やロボット産業が集積する名古屋で節目を迎える意義は大きい」と話した。

 30日まで、午前9時~午後6時(30日は午後4時まで)。1日券1200円、高校生以下無料。期間中に10万人の来場を見込んでいる。【多和田奈々】