サッカー選手、起業家、教育者--本田圭佑、「多動」の根底にある思いとは

 メキシコ1部リーグでプレーするサッカー日本代表FW本田圭佑(パチューカ)が社会貢献活動に力を入れている。昨年12月には運営に携わるサッカースクールのコーチらがアフリカで長期的な無料サッカー教室を開始。難民や恵まれない子供が希望を持てる場の提供を目指す。選手、起業家、教育者--。多くの肩書を持つ31歳の根底にある思いとは。

 アフリカでの支援活動は昨年6月、ウガンダ訪問が始まりだった。アフリカ最大となる約100万人の難民受け入れ国で、孤児院などの現状を目の当たりにした。ビニール袋を丸めてバナナの皮で巻いたボールを追う子供たち。「難民の子供たちにも夢を追えるような環境や機会を提供できるように」。思いを受け継いだコーチらが計画を進めた。

 活動は同様に難民が多く、支援団体の協力を得られたルワンダから開始。週2回のサッカー教室には地元スクールのコーチも訪れて「才能のありそうな子は無償で育成したい」との申し出もあり、実際にチャンスをつかむきっかけになっている。今年はケニア、ウガンダも加えて1年間巡回し、延べ約4000人に指導する予定だ。将来的にはサッカー以外のキャリア支援も含めたネットワークを世界に広げたいという。

 「影響力のある現役だからこそ世の中に伝えられるメッセージがある。影響力があるからこそ、世界の子供たちのために今できることをやりたい」。本田は社会貢献活動が評価され、2016年に国連財団の「GlobalAdvocateforYouth(青少年への国際的な支援者)」にも選ばれている。世界中の子供への教育普及を手助けする役目だ。「世界に日本の素晴らしい道徳を伝えたい。そうすることで、もしかすると、一つでも多くの戦争や争いが減るのでは」。次世代への教育に強い思いを示す本田の、原動力でもある。

 アフリカの遺児支援にも力を入れる「あしなが育英会」(東京都千代田区)の玉井義臣会長は昨年12月に本田と面会し、プロサッカー選手を目指す日本、アフリカの遺児を支援する「本田・あしながサッカー奨学金」の設立構想に合意した。「アフリカの貧困の子供はチャンスがない。仕組みを作れば階段を上っていける子も必ず出てくる。行動することの意義は計り知れない」と感謝する。

 活動母体となるホンダエスティーロでは活動の協力企業を募集している。連絡はEメール(contactus@honda-estilo.com)まで。【大島祥平】