【ユーグレナ】広島大、マツダなどとてんぷら油由来の自動車用次世代バイオ燃料事業に進出へ

2018年6月28日

マツダや広島大、県などで構成する「ひろしま自動車産学官連携推進会議」(ひろ自連)はミドリムシを活用するバイオベンチャー企業「ユーグレナ」(東京)と連携し、てんぷら油から自動車用の次世代バイオ燃料をつくる新事業に乗り出す。自動車燃料の地産地消モデルを構築するのが狙いで、二酸化炭素(CO2)排出量削減にもつながるという。2020年の実用化を目指す。【東久保逸夫】
 
ひろ自連によると、自動車はガソリン車の割合が減少する一方、電気自動車(EV)など環境に優しい車の普及・開発が見込まれている。このためひろ自連は製造や運搬過程なども含め従来よりCO2の排出量を削減するよう関係機関に働きかけてきた。一方、ユーグレナは微細藻類のミドリムシの大量培養に成功し、食品や化粧品を開発。これらの主力商品に次ぐ柱として、全日空などと連携し、ミドリムシ由来の航空機用などのバイオ燃料の開発を進めている。

今回のプロジェクトでは、広島の企業などから排出された使用済みてんぷら油を活用。ユーグレナの実証プラントに運び、精製されたバイオ燃料を使って車を走行させるほか、車以外の用途拡大も目指す。今後は広島での藻類の培養も検討するといい、農畜産分野などでの飼料研究も視野に入れているという。

ひろ自連エネルギー専門部会長の工藤秀俊・マツダ執行役員は記者会見で「産官学でやることで仲間も増え、さらなる技術革新につながる」とメリットを強調。ユーグレナの出雲充社長は「バイオ燃料を導入すれば石炭や石油を輸入するコストがかからず、CO2排出量もはるかに少なくなる。将来的には大規模生産を目指したい」と意欲を示した。

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