3期OB/ELOOPの高尾CEOが「攻めと守りの事業・キャリア戦略」を語る(9/25 5期説明会を開催)

毎日みらい創造ラボは9月24日より「第5期」のシードアクセラレーションプログラムの募集を開始し、翌25日に説明会を実施しました。
 説明会にはゲスト講師として、第3期プログラム採択チームで、今年4月に法人化して事業を推進している「株式会社ELOOP」高尾敦CEOをお招きし、学生時代から事業を立ち上げた経験や毎日みらい創造ラボでの学び、ご自身のキャリアについて「攻めと守りの事業・キャリア戦略」をテーマに語っていただきました。

プログラム5期の募集についての詳細は、「こちら」から

 高尾さんは東大2年の頃、知人とともに、プログラミングを教えられる「大学生メンター」が同じ大学生に教え合う学びの場「GeekSalon」事業を共同で発足。卒業までに東京・京都で約1000人が関わるプログラミングコミュニティに成長させた経験を持ちます。
 現在の「株式会社ELOOP」事業は、プログラミング学習者が実践的な開発課題の取り組みを辻て自身の理解度チェックなどができるプログラミング問題集で、毎日みらい創造ラボでのメンタリングや市場調査、GeekSalonの経験や賛同メンバーを活用し、既に10人を超える組織に成長させています。
 
 高尾さんはラボ3期でのメンタリングとDemo Day(グランプリ獲得)を終え、大学を卒業した直後の4月に起業しましたが、同時に「株式会社リクルート」にも就職し、会社員と経営者の二足のわらじで自分自身の成長を模索しています。
 説明会では、それらの経験も踏まえて「自分の人生や事業を創る上での攻めと守りのバランス」を軸に講演。社会課題である「IT人材の不足」の解決を実現するために、どのような段階を踏んでキャッシュの手当や事業投資を行うかなどが語られました。
 
株式会社ELOOP・高尾敦CEO 発言要旨
成長する他社のIR(投資家向け情報)をよく見ますが、自分の人生や事業を創る上でも「攻めと守り、多角化のバランス」を凄く意識しています。


 
 現在の「ELOOP」事業に至る前の在学中、GeekSalon事業を運営していましたが、社会の流れの中での非常に大きな課題として出てきている「IT人材の不足」に対して、自分として何ができるのかを考えました。
 学校や塾などの教育機関には「プログラミング教育をやりたい」という思いがありますので、“その需要増加に合わせてプログラミング教育者をマッチングさせることができるサービスを作ればいいのではないか”と当初は考えました。ただ、現状としてプログラミングスキルを持ち、それを教えることのできる人は少ないということに気付きました。
 理想論である“教育機関とプログラミング教育者のマッチング”というソリューションを実現するために、「まずはメンターを務めることのできる人を増やす」ことが必要で、そのために大学生のプログラミングコミュニティ事業(GeekSalon)を始めました。課題に対して、売り上げと利益率のバランスを考えながら解決方法である事業を創っています。
 将来的には教育機関に対してプログラミングを教えられる大学生を届けられるような仕組みを作っていきたいです。

大学2年生からプログラミングを学び、3年近く学生に教えてきたのですが、実際に教えていた学生の多くは途中で辞めてしまいます。「なぜ、こんなにもプログラミング学習サービスはあるのに、成長が止まってしまうんだろう?」との問いを自分に問い続けて、模索した結果として株式会社ELOOPの創業につながりました。
 
〈株式会社ELOOPの事業について〉 
 プログラミング学習に触れている人たちを(ステータス別の)ピラミッドに落とし込むと、プログラミング初級者から活躍しているエンジニアやフリーランスまでいます。自分たちが特に注目しているのは、ピラミッドの真ん中にいる方々です。彼らがエンジニアとして成長していくためには、「アウトプット」→「レビュー」→「インプット」という学習サイクルを適切に回す必要があると考えています。


 「毎日みらい創造ラボ」での採択メンタリング期間や、(初期プロタイプにあたる)アルファ版、(テスト運用の)ベータ版の開発・運用を通じて、アンケートやヒアリングなどでユーザーインサイトの深ぼりを徹底してきました。そしてプログラミング学習が停滞する原因を「学習者自身が何がわかっていて、何をわかっていないのかを判断できていないこと」と設定し、学習者のアウトプット促して、それに対してレビューを返す仕組みを構築することで、適切なインプットを行うことができるようになるのではないかと考え、開発を進めています。つまり、すべてのプログラミング学習者のスキルを可視化し、適切な学習サービスを提案するプラットフォームを展開することでIT人材の育成に取り組んでいきたいと思っています。

“ELOOP”という名前は、僕自身が大事にしている〈Education × Loop〉〈良いループ〉を作りたいという思いからで、ロゴも自分でデザインしました。「好循環」という言葉が好きなのですが、学習者に対して効率的な学習サイクルを作り、社会として適切なヒト・モノ・カネの配分をすることができる世界観を創り上げていきたいです。


 
■主な質疑

――高尾さんは今はリクルートに就職していますが、それは攻めですか?守りですか?

高尾)僕の中では就職するというのは「守り」の姿勢です。起業が「攻め」です。
 自分自身が24歳という中で、知らない業界があることや、組織を大きくしたり、大きな組織が社会をどのようにまわしているかというのを知らないので、まずはそれを見たいとも思ってリクルートへ。プラス、自分自身がやりたいことという意味で起業も選びました。
 リクルートは副業もOKですし。ただ、将来的にリクルートを出るという選択肢を取れるようになるためにも、自分が力をつけたいとも思っています。
 
――資金?
高尾) 大学時代に事業を創ってためたお金は全部起業に費やしました。今後の資金調達なども、年末から年始にかけてデッドとエクイティのバランスを考えながらやっていきたいと考えています。
 
―今後、人として今後どうなりたいという構想はありますか?
高尾) よくELOOPのメンバーにも話をしますが、自分自身がいなくてもしっかりと回っていける組織と社会のインフラになりたい、と言っています。
 人を成長させるための循環を作りたくて、自分がいることによる“不”の方が大きい気がしてもいます。自分が教えた人が、他の誰かに教え、さらに発展して教えるという世界観を作りたい。
 メンバーには「令和時代の教育のインフラを創る」と言っています!

 
■プログラム5期を募集中! 詳細は、 「こちら」 から
 

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