<第1期>ウェルナスがナスの血圧低下、精神安定効果を実証しました!

2019年12月05日

毎日みらい創造ラボ第1期で信州大発スタートアップのウェルナスや同大学、化学メーカーのADEKAなどで作る「ナス高機能化コンソーシアム」は、ナスに豊富に含まれる成分「コリンエステル」が血圧を下げ、精神を安定させる働きがあることを臨床試験で実証したと発表した。


同コンソーシアムによれば、ナスの機能性を証明したのは世界初といい、ナス由来のコリンエステルが広く流通すれば、妊娠期などで薬が飲めない高血圧症の患者などにも有効なサプリメントになりそうだ。

臨床試験で使用したのは高知県産のナスで計100人を対象に実施した。対象者の半数にナスから抽出したコリンエステルを乾燥させて出来た粉末をカプセルに入れ、毎日4カプセルずつ、計12週間摂取してもらい、カプセルを飲まなかった人との効果を比べた。


1カプセルはナス一口分にあたり、試験開始から12週間で血圧の高い人の血圧が下がったほか、心理状態なども「落ち込む」などの状態が緩和し、気分が改善される結果が得られた。これらの結果は、国際学術誌「ニュートリエンツ」にも掲載された。

ウェルナスは現在、コリンエステルが含まれた「マカロン」や「クッキー」など試作品作りも進めており、今後は機能性食品として、サプリメントとしての販売を目指していく方針だ。

ウェルナスは信州大学農学部の中村浩蔵准教授(食品分子工学)が発表した、コリンエステルが血圧降下や自律神経に働き掛ける効果があるという研究リソースを社会実装するために設立された。中村准教授らは、当初はソバからコリンエステルを抽出していたが、特定の品種のナスに大量のコリンエステルが含まれていることを発見し、研究を続けてきた。

2017年に毎日新聞社などが立ち上げた「毎日みらい創造ラボ」の起業家を支援するアクセラレーションプログラムの第1期生として採択されたウェルナス。ビジネスモデルやプロダクトを磨く3ヵ月間のプログラムを経て、デモデイで第1期のグランプリとなった。

自身も血圧が高く、睡眠障害に悩まされていたウェルナスCEOの小山正浩氏は「私自身、ナスで睡眠障害が緩和されたが、改めて、ナスに含まれるコリンエステルの効果が証明された。今後は薬に頼らずとも、健康な生活を多くの人が送れるよう、機能性食品としてサプリメントの開発を急ぎたい」と話している。

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